会社から逃げ出すことは簡単なことではない

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今週、電通に勤務していた新入社員が自殺し、労働基準監督署から労災と認定されたというニュースが報道されました。

非常に痛ましいとしか言いようのないニュースです。

月に105時間の残業や本人のTwitterからは上司や同僚からの「いじり」に悩んでいた様子もうかがえます。
事実関係に関してはわからないのでこれ以上言及はしませんが、このようなニュースがあると昔はよく「俺も昔はそれくらいやってきた」とか「本人が弱かっただけ」などという無責任な自己責任論を主張する人たちが現れました。

さすがに最近はそのような主張は少なくなってきて、代わりに台頭してきたのが「なぜ辞めなかったのか(逃げなかったのか)」論です。そんなに苦痛ならなぜ辞めなかったのか、死んだら意味がないというのはその通りだし間違っているとは思いません。

でも周りから客観的に見れば逃げ出すことは簡単に思えるかもしれませんが、本人からしたらそんなに簡単なことではなかったのではないかと思います。

僕自身今まで会社を辞めてやろうと思ったことは何度もありました。それでも色々なことが頭をよぎり決断できませんでした。

  • 会社を辞めたら裏切り者と思われる。
  • 次の仕事があるだろうか、収入が得られるのか
  • これまでの努力が無駄になっていまう
  • 仕事を投げだすなんて根性なしだ

等々です。

よく考えると2番目の収入源の問題以外は正直どうでもいいことなんですよね。裏切り者だろうが根性なしだろうが自分が望む生き方ができれば問題ないはずです。でも、そうやって割り切れる人は少ないのではないでしょうか。
僕も正直、仕事を辞めることを伝えたと今なってもこれらのことを考えてしまいます。

「人に迷惑をかけてはだめだ」「途中で投げ出してはだめだ」ということを強く意識して生きてきた人は逃げ方を知りません。(自殺した女性がどうだったかはわかりませんが、真面目な印象は受けました)。一度始めたことは止めてはいけないと思ってしまいがちです。

また、会社に入ればその会社の文化に染められていきます。自分がその文化に馴染めないとしてもその会社で働いていくからには合わせていかざるを得ません。特に電通のような超体育会系の会社であれば合わない人にとっては地獄でしかないでしょう(僕は絶対無理です。)

でもその中にいるとそれが当たり前になっていき、それ以外の考え方ができなくなっていきます。

だから「自分に合っていない」、「つらい」と思いつつもその場から逃げ出せないのだと思います。そもそも自分の中で逃げ場がないのです。そういう人に「嫌だったら逃げ出せ」と言った所で結局逃げ場が無く、唯一見つかった逃げ場が「死」だったのかもしれません。

僕も「死ぬくらいなら辞めちゃえばよかったのに」とは思います。ただ、自分がその立場だったら簡単に辞められるかと考えたらその言葉を簡単に言えなくなってしまいます。

昔と比較すると世間の意識も変わってきて働き方、生き方も多様になってきてはいます。それでもこのような問題は後を絶ちません。やはり長年染み付いた文化や考え方を変えるのはとても難しいと考えさせられたニュースでした。